思春期に読みたかった。
思春期に読んで、俗世に浸って読み返して、「こんな時もあったなあ」と回顧するような立ち位置にいて欲しかった。
俺は臨床心理に詳しいわけでもないし、社会を信じられなければ世代という概念への関心も喪失してるんだけど、アイデンティティはそれなりに形成できていると思っていた。
んだけど、女生徒における主人公が纏う厭世観のようなものが自分の心情と重なる度に、自分のアイデンティティが明らかに思春期の心理を土台として構築されていることを知った。
多分、俺の中では[社会性を持つ=俗世に浸る]という構図がある。
社会における相互扶助よりも、社会の汚らしさのほうがよく目に入る。
だから子供は欲しくない。
あと、世代については本当に関心を抱けない。
結婚したい(というか一緒に生きていきたい)相手はいるんだけど、双方の家族を含めて結婚だとかいう観念が思いっきり欠落している。
これについては原因がわかりきっているんだけど、原因がわかっていることは解決策がわかっていることに直結するわけでもなく、そもそも解決の必要性を見出せない状態にある。
「解決できない」ではなく「積極的に解決する気にならない」なんだよね。