もう何年も前に、本当に大切な子がいて、その子を救うために鬱病の勉強をしていたことがある。
自分が犠牲になっても良いから、その子だけは淀みから掬い上げたいと心の底から思っていた。
そのためにはどんなことでもするつもりだったし、何だってできると思っていたし、誰からも理解されなくても良かった。
自分も歪んだ人間だから、掬い上げた後はフェードアウトするつもりだと本人に伝えていた。
その子は俺と一緒にいることを望んでいた。
俺も本当はその子と一緒にいることを望んでいた。
「自分が犠牲になっても良いから、その子だけは淀みから掬い上げたいと心の底から思っていた。」と思い込んでいた。
本当はただ、二人で幸せになりたいだけだった。
そんな簡単なことに気づいたのは、もう二度と会えなくなった後だった。
アクチュアリーになるために頑張った最低勉強時間:1116時間