「父に訴えても、母に訴えても、お巡りに訴えても、政府に訴えても、結局は世渡りに強い人の、世間に通りのいい言いぶんに言いまくられるだけの事では無いかしら。」
「自分には、あざむき合っていながら、清く明るく朗らかに生きている、或いは生き得る自信を持っているみたいな人間が難解なのです。」
「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです。」
「けれども、その時以来、自分は、(世間とは個人じゃないか)という、思想めいたものを持つようになったのです。」
思いっきり腕を振り上げて、腹の底から声を張り上げて、賛同の意を身体中で表現したい。
信用の殻を閉じられていると感じる人間は、それが精神疾患に起因していたとしても、その精神疾患が故に、精神科の門戸を叩くことは決してない。